ローマの誕生日。2020年は2772歳?それとも2773歳?

4月21日は、ローマの誕生日。毎年、花火が打ち上げられたり、この写真の銅像が置かれているカピトリーニ美術館などで特別ツアーが企画されたりして、ささやかながらこの日を思い起こすイベントがあったりするのだが、今年はコロナのおかげで、家のパソコンから美術館のバーチャルリアリティーをお楽しみ下さい的なイベントになっている。

ところで、このローマ建国の物語にまつわる双子の男の子の事はご存知かな?彼らは可哀そうな女レア・シルビアの息子たちであった。何がかわいそうって?実は、彼女はラテンの国アルバロンガの王ヌミトールの娘だったのだが、叔父さんにあたる王の弟アムーリオは兄貴から王位を奪い取って、その息子達を殺害し、唯一の娘であったレア・シルビアをヴェスタという釜戸の女神に使える火守りにしてしまったのだ。この職についたものは三十年間、処女の純潔を守り通さなければいけない。このようにしてアムーリオはヌミトールの子孫を断絶に追い込み、自分の王位を確実なものとしたのである。

ある時、このレア・シルビアは軍神マルスと結ばれて密かに双子を産んだ。それを知ったアムーリオは怒って、掟どおり彼女を生き埋めの刑に処し、生まれた双子を川に流した。ところがこの双子は雌狼に拾われて、乳を与えられ、育てられたというのだ。実際にローマには、このことを描いた彫刻や浮き彫りが古代から存在する。それは、双子を守るために牙をむいた猛獣として描かれており、その頃からローマのシンボルとなっていた。地中海世界を支配した男達の士気を高めるのに十分な効果を持っていたのだ。それゆえ、今でもいろんな所にこのシンボルは出没する。例えばAS Roma(サッカーチーム)のエンブレムにはこれが描かれているし、ローマのパトカーや警察のバッジ、それからローマ市の建物にもよく観てみるとあったりする。

さてこの双子の兄弟は大きくなって国の境界線を巡っていざこざを起こし、ロムルスがレムスを殺してしまうのだが、その時、王となったロムルスの名からローマが生まれた。それが紀元前753年の4月21日のことである。例えば2020年は2772歳ということになる?もし私の計算が間違っていたら教えていただきたい。紀元ゼロ年がないことを考慮したらこのような計算になると思うのだが。。イタリアの新聞とかには2773歳の誕生日と書いてあるし。毎年ずれてるような気がする。一体どっちだと思いますか?

著者:  原井シュウジ

Romanissino

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